朝、外に出るとキンモクセイの匂いがした。
10月も後半に差し掛かってもうこんな季節かと思うのと同時に、去年はもう少し早かったのかなと思った。
去年のことを覚えていた試しがない。この現象を教えてほしい。
匂いに敏感であると、割と最近気づいた。
記憶力はいい方ではないが、人が気にならないくらいの匂いに気づいてしまう。
思えば昔から匂いで誰の持ち物かわかってしまうので、片鱗があったと言えるのかもしれない。
香水が好きになれない。
香水を付けている人が嫌いなわけではない、香水自体をこの鼻が受け付けられない。
特にLUSHの中には絶対に入れない。行きたい人がいたら外で待つことを許してもらう。
どうしても人工的な匂いが、“はなにつく”。
およそ匂いを発するものを持ち合わせていない。
虫除けのスプレーだけだろうか、あれは匂いが強すぎなくていい。
香水も持っていないし、フレグランス的なものも一切持っていない。
キンモクセイの匂いはいつまでも嗅いでいられる。
自然な香りはいけると最近気づいた。
花、焚き火、海、土。
田植えが終わった田んぼでよく焚き火をしている、匂いがする。
小学生くらいの頃、よく実家の畑で出た野菜クズをもやして焼き芋を焼いた。
ばあちゃんが焚き火をしているのを見かけると、必ず近づいて一緒に焚き火をした。
秋は懐かしい匂いがする。