ルーティーン

バナナマンのバナナムーンゴールドで設楽さんが

「ここの店だったらこのメニュー、大体決まっててあんまり冒険しないんだよね」

と言っていた。

全く同感である。

要は失敗したくないのである。

せっかくおいしい物を食べにきて、冒険してうーんと思う物を食べたくない。

たった一食でなんでそこまで、と思う人もいるかもしれないが考えて欲しい。

今日この日の昼ごはんは一回きりなのだ。

カツ丼にするのか、親子丼にするのか。

ざるそばにするのか、鴨南蛮そばにするのか。

後悔したくない。その判断に毎回迫られるのが怖い。

上等じゃないか。臆病者で結構。

「いつも同じ物食べてるよね〜」それでいいのだ、いやそれがいいのだ。安定バンザイ。

野球をしていた時、ピカピカじゃないスパイクとグラブを使うのがイヤだった。

試合の前日にはいつも、玄関でグラブ→スパイクの順で磨く。

ブラシで表面の汚れを落としてから、クリーナーを使ってオイルが固まっているところを綺麗に落とす。

グラブは牛の革を使っているので、養分の入ったオイルを揉み込んでしっとりとさせる。

スパイクもまずブラシで汚れを落としてから、親父の革靴用のオイルを塗り込んでピカピカにしていた。

おかげでピカピカのグラブとスパイクで試合が出来たのだが、もちろん試合でドロドロになる。

これもまたルーティーンであった。

いつからルーティーンを意識するようになったのかは覚えていない。

が、確か中学校の頃だったと思う。

イチローがめちゃくちゃ活躍していた頃だ。

イチローといえばルーティーンで知られているが、詳しいルーティーンを野球部の監督が教えてくれたのが初めだったように思う。

一つ一つの動きに意味があって、それをこなしていくことにカッコ良さを覚えたことを記憶している。

仕事が休みの日は、ほぼ必ずコメダ珈琲に行く。

いつも同じモーニングを頼んで、コーヒーはブラックで。アイスかホットかはその日の気分で。

このルーティーンはじいちゃんに似たのかもしれない。

じいちゃんは何十年も毎朝コーヒーを飲みに喫茶店に出かける。

もうだいぶ物忘れがひどくなってきてはいるものの、喫茶店までの道のりは決して忘れない。

毎日スラックスにシャツ、寒ければジャケットを羽織って出かける。

我ながらかっこいいじいちゃんである。前歯が抜けていることを除けば。

昼飯は何にしよう、そんな事を考えながら今日もホットコーヒーとモーニングを注文した。

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そして会社員はつづく
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